当院の診療の特色:下肢静脈瘤硬化治療


下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは、下肢(足)の静脈が浮き出て蛇行屈曲し、醜い外観を呈する病気の事です。
男性より女性に多く、ロングスカートやズボンを穿いて局所を隠している人が少なくありません。

症状は、病気になりはじめの頃は足が重く、だるく、こむらがえりの所に痛みがきます。
静脈瘤が出来てしまうと足の重量感のみ残り、それにも慣れてきて自覚的症状を訴えなくなります。

下肢静脈瘤を手術をしないで治すには

下肢静脈瘤を手術をしないで治療するには「下肢静脈瘤硬化療法」と「血管内焼灼術」の2通りの方法があります。

当院では平成3(1992)年に福岡市で一番最初に硬化療法を開始しました。
これまで治療した症例は約2,000例を数えます。

また、血管内焼灼術も平成27(2015)年より始めています。

この2通りの方法の治療成績には大差なく、従来行われていたストリッピング手術に比べても治療成績には遜色無いと言われています。

下肢静脈瘤硬化治療

硬化療法を受ける前に

硬化療法のメリット
  • 入院の必要がなく、外来で治療出来ます。
  • 手術をしなくて済みますので、傷が残りません。
  • 再発すれば外来で何度でもできます。
  • 保険適応です。
硬化療法のデメリット
  • 硬化剤注入部に色素沈着が残る事があります。
  • 硬化剤で、静脈瘤内の血液が固まるため、硬結(しこり)を残す事があります。
  • これらの合併症は時間の経過とともに軽減します。
  • 硬化剤が漏れると皮膚壊死が起すことがあります。皮膚壊死は起るとその部を切除しなければなりません。その頻度は稀です。

硬化療法の検査


  1. 脈波検査
    これは弁不全でどれ位血液が欝滞しているかを調べる検査です。罹患肢のだるさの指標になります。
  2. エコー検査
    静脈弁の動きから逆流(弁不全)の有無を調べます。
  3. 血管造影
    レントゲンで静脈を撮影し、逆流の部位、状況を肉眼的に判断します。

静脈結さつ術

静脈は血液を手足末梢から心臓へ向って運ぶパイプです。人間は立って生活しますので、下肢の静脈には上肢に比べて上行した血液が下降し易く、それを防ぐための静脈弁が発達しています。
 静脈弁の閉りが悪くなり、閉鎖不全が起りますと血液は下降(逆流)して血液のうっ滞が起り、静脈瘤ができます。血液の逆流がひどいとその部の静脈を結さつして血液が逆流しないようにしなければなりません。
 簡単な手術で日帰り手術が可能ですが、軽度の全身麻酔をかけますので、当院では大事をとって一日入院をお勧めしています。

治療内容

治療する静脈瘤の数ヶ所を細い針を用いて穿刺し、そこから特殊な薬液(硬化剤)を注入します。
その部位を外部から圧迫して静脈瘤を消失させる治療法です。
穿刺部位は静脈瘤の大きさによって異なりますが、一度に穿刺する箇所は5〜6ヶ所です。

血管内焼灼術

超音波エコーガイド下にアプレーションカテーテル(血管カテーテル)を静脈内に挿入し、カテーテルを病巣部へ誘導して、カテーテルの先端からラジオ波(高周波)を発射させ、血管の内壁(膜)を焼灼して、その部位を外側から圧迫して静脈瘤を治します。

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